防犯対策ブログ
2025/04/09 09:36

防犯対策の専門家、防犯専門店SOSです。
今回は、日経新聞に掲載された興味深い記事「ひったくりが20年で99%減 『コスパの悪い』犯罪に︖」を参考に、最近のひったくり犯罪の現状とその背景についてご紹介したいと思います。
ひったくりが99%減!?
記事によると、かつては日常的に発生していると思われていたひったくり被害が、この20年でなんと99%近くも減少しているという驚きのデータが示されています。 2002年には全国で5万件以上発生していたものが、近年では500件程度にまで減少したとのことです。
この劇的な減少の背景には、いくつかの要因が考えられるようです。
まず、警察や政府が治安悪化に危機感を抱き、防犯対策を強化してきたことが挙げられます。 犯罪対策閣僚会議の設置や「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」の策定など、国レベルでの取り組みが進められました。 また、街頭犯罪の認知件数削減が警察の評価目標となるなど、具体的な成果を求める動きもあったようです。
防犯意識の高まり
地域社会における防犯意識の高まりと対策も大きな要因でしょう。 登下校中の子どもたちの見守り活動といった防犯パトロールが広がり、地域住民の目による監視機能が強化されたことは、犯罪抑止に繋がったと考えられます。 さらに、自転車カゴへの防犯カバーの装着や、バッグを車道と反対側に持つといった市民一人ひとりの防犯対策の浸透も、被害の減少に貢献していると言えるでしょう。
防犯カメラの普及
そして、防犯カメラの普及も無視できない要因です。街頭への防犯カメラ設置が進み、犯行状況が撮影されるリスクが高まったことで、ひったくりは「割に合わない犯罪」になったと記事では指摘されています。 顔認証技術の進化も、犯人逮捕に繋がりやすくなった要因の一つでしょう。
また、少年による犯行の減少も大きな変化です。 かつてはひったくりの検挙者の多くを少年が占めていましたが、近年はその割合が大きく低下しています。少子化に加え、かつてのような不良グループの衰退、そしてスマートフォンの普及による若者たちの行動様式の変化などが影響していると考えられています。
かつて「大阪名物はたこ焼きとひったくり」とまで言われた大阪府では、警察がひったくり検挙を最重点施策とし、集中的な対策を行った結果、大きく減少したとのことです。
油断禁物
しかし、依然としてひったくりが完全に無くなったわけではありません。 東京都や大阪府では昨年も100件以上の被害が報告されています。 以前は女性が主なターゲットでしたが、最近では性別や年齢に関わらず、油断している人が狙われる傾向にあるようです。 特に、歩きスマホやイヤホンを使用している際は注意が必要です。
万が一、ひったくりに遭ってしまった場合は、無理に犯人を追いかけず、自身の安全を確保した上で速やかに110番通報することが重要です。 犯人の特徴や逃走手段などを可能な範囲で覚えておくと、その後の捜査に役立ちます。 また、スマートフォンは犯人に奪われると連絡手段がなくなってしまうため、バッグとは別の場所に身につけておくなど、日頃からの対策が大切です。
今回の記事を通して、長年の努力と技術の進歩によって、身近に感じていた犯罪が大きく減少していることを改めて認識しました。 しかし、油断は禁物です。私たち一人ひとりが防犯意識を持ち、日々の生活の中で少しの注意を払うことが、安全な社会の実現に繋がります。 今後も防犯に関する様々な情報を提供してまいりますので、ぜひ参考にしてください。
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