防犯対策ブログ

2025/10/20 11:17

防犯対策の専門家、防犯専門店SOSです。

先日、埼玉県鶴ヶ島市の老人ホームで、入所者の女性お二人が亡くなるという大変痛ましい事件がありました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々へ心よりお悔やみ申し上げます。

今回の事件を受けて、厚生労働省は全国の福祉施設に対し、改めて防犯対策の点検を求める通知を出しました。これは、2016年に起きた「津久井やまゆり園」の事件の際にも出された、非常に重要な内容です。


元職員による侵入を許した「盲点」

殺人容疑で逮捕されたのは、この施設の元従業員だった容疑者です。捜査関係者によると、容疑者は取り調べで「暗証番号を入力して鍵を開けた」という趣旨の話をしているとのこと。

ここに、今回の事件の大きな教訓があります。それは、「退職者が出ても警報装置などの暗証番号を変更していなかった」という、セキュリティに対する甘さです。

防犯対策の「基本のキ」として、施設を問わず、職員や元職員など内部の人間による不正なアクセスを防ぐという視点が極めて重要になります。特に人の入れ替わりがある職場では、退職と同時にすぐに暗証番号を変更する、鍵の権限を失効させる、といった措置が必須です。


防犯カメラだけでは安心できない理由

「うちには防犯カメラがあるから大丈夫」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、防犯カメラは事件の予防・抑止効果や、万が一の際の証拠保全に役立つ、非常に重要な対策の一つです。

しかし、カメラはあくまで「副次的」なものです。カメラを設置していても、玄関や窓の施錠が徹底されていなければ、侵入を防ぐことはできません。今回の事件も、元職員という立場で得た「暗証番号」という知識を利用した、セキュリティの穴を突いた犯行です。


家庭でも徹底したい「基本の対策」

この教訓は、老人ホームのような施設だけでなく、私たちの日々の暮らし、家庭の防犯対策にも直結します。

  • 鍵と暗証番号の管理の徹底: 1.玄関の鍵は二重ロック(ワンドアツーロック)が基本です。 2.電子錠やセキュリティシステムの暗証番号は、生年月日などの推測されやすいものは避ける。 3.一度設定した暗証番号やパスワードを長期間使い回さない4.合いカギを安易に他人に渡したり、玄関先に隠したりしない。

  • 「閉める」を習慣化する: 外出時はもちろん、家にいる時でも、1階の窓や玄関を施錠する習慣をつけましょう。「少しの時間だから」という油断が、侵入を許す隙になります。

事件の報道に触れるたび、不安を感じるかもしれませんが、冷静に「安全・安心な環境を作るために、必ず押さえなければならない基本的な部分」を見直すことが、最も確実な対策になります。

今回の痛ましい事件を教訓とし、セキュリティの「基本」を今一度見直し、ご家庭や職場での安全を確保していきましょう。


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